レースの結果は、皆さんご存知の通りです。
乗鞍ワンツーFINISH!!のポスター通りに( ゚Д゚)(笑)

レースレポの前に、こんな話を回想しておきます・・・
それは、3月に三重県菰野町で開催された、菰野ヒルクライムのレース後の一場面である。
山神様と少しだけお話をした。
その際に話した内容は、以下の2点。
- 私がJPTで走ることについて
- 富士ヒルクライムに山神様がエントリーしたことについて
その際に、富士ヒルクライムについて…
“勾配が緩いこと”
“ある程度上れて、且つパワーが重要なレースであること”
“何故かクライマーはスプリンターをゴール地点まで運んでしまうこと”
などについて話をしていた。
龍太郎君に勝とうと思うと、それまでに勝負をつけておかなければならない・・・
しかし、勾配が緩いので着いてこられちゃう可能性が高い・・・
などなど・・・私が想定していることを話していた。
その際に、山神様はこう言った。
富士ヒルクライムには、走れる状態になって、クライマーとしてはヒルクライムという名前がついている大会で負けられないですよね!そして、全日本にそのまま調子を上げて挑みたい!
「負けられない!」って言葉を口にされたことが、何だか新鮮だったので、今でも鮮明に覚えています。
話は、富士ヒルクライム前日に戻ります。
今回のレースには、何故かテンションが上がらず自然体で挑む形になっていました。
仕事のバランスが上手く取れていないことと、ヒルクライム練習があまり出来ていないことが要因です。
いつもなら、絶対にダイエットしてパワーウェイトレシオを少しでも上げるために、パワーが落ちても体重を減らす努力をしますが、今回は体重が重くてもドラフティングの効果が高いことと、絶対値としてのパワーが重要になる可能性が高いレースだと捉えていたため、好き放題食べていました。
また、WALKRIDEでJPTで走らせてもらえるようになってから、ダイエットする必要性をあまり感じなくなってきました。
しっかり食べて回復させて、ガッツリ練習して、多少重くても強い人達で溢れかえっていることに衝撃を受けたからです。
それと・・・ある意味、痩せていない自分への嫌がらせのような諦めのような爆食いをしていました。(笑)
それらは、富士ヒルクライム前のブログを見て頂ければと思います。
大会会場で受け付けを済ませ、ブースを見て回り、たくさんの人達とお話しました。
「ブログ見ています!」「調子はどうですか?」「伊吹山のブログ、感動しました!」などなどたくさんの人達にお声かけ頂き、とても幸せでした。
何人にもお答えしましたが、もう裸足では走りませんからっ!!(笑)
ブースを一通り見てまわった後に、山神様とお会いしました。
明らかに、菰野や伊吹山の時とは違い、絞れている身体を見て、すぐに菰野の話を思い出しました。
そして、自然とレース展開について話をしました。
- どのようにしたら龍太郎君をゴール前まで連れて行かずに済むか?
- JPT伊吹山3位の才田さんをどのように攻略するか?
主に、この2点について話をしていました。
“強いメンバーで、上手く逃げれたら、勝機はあるんだけど・・・”ということで話を終えました。
さてさて、レース当日のこと。
一緒に参加したTeamGreenRoadのメンバーとの楽しい楽しい旅行記は、別に備忘録として記載するとして、皆さんが一番興味のあるレースについて話を進めたいと思います。
23:00 就寝。隣の宴会がうるさくて寝れず。。。
0:10 左足指がこむら返りで攣って起きてストレッチ。その際に右外側広筋も攣ってしまう。悶絶しているところを、ナカジが見て笑っている。。。(笑)
3:30 起床、準備、食事。ダイエットしていると、起きてすぐのこの時間帯に食事をする気にならず、結局食事をしないことがあったりするが、しっかり毎日食べていたので胃が強くなっているようで、ヒルクライムレースの時にしては珍しく、ミートスパゲティーとおにぎり1個をあっさり食す。(ナカジの野生の力については、また別記事で。)
4:30 くぬぎ平駐車場へ移動。自転車の準備や荷物預かりの準備・トイレ渋滞などを経てアップの時間。
5:50 固定ローラーで30分アップ。0分~10分120W~160Wぐらいでクルクル回して身体を温める。10分~15分まで30秒ずつ負荷を上げて、15分までに330Wまで上げたらダウン。ダウンを4分。19分~24分まで30秒ずつ負荷を上げて400Wまで上げる。24分~30分までダウンして終了。心拍が165まで上がったので、かなり良い感じ。尚且つ、変な筋肉の張りがないのが、かなり好印象だった。アップは成功!
6:20 着替えて、最後の軽量化を行い、レース会場へ。荷物は、応援として同行してくれた美女3人が届けてくれていたので、安心してアップと準備ができました☆
6:55 会場へ到着。
7:00 主催者選抜の集合場所へ。強豪達としばし談笑。WALKRIDEの風間君が居て、嬉しかった。(優勝候補の1人だけど・・・)
7:10 最後方からスタート。
こんな流れでした。
たくさんの方に質問される体重ですが、起床時に体重を計っていないが、おそらく前日早朝の計測と前日の爆食いから考えると62.5kg~63kgだと思われる。
腹の脂肪が掴めるレベルなので、今までの照準を当てたレースではありえない体重です。しかし、ここは体重が重要ではなく、展開とパワー!!
練習して、しっかり食って、落ち着くレベルの体重なので、私としては健康そのものの体重です。
”ガリガリ!”とか、”痩せすぎてない?”とか言われないレベルの体重です。
前置きが長くなりましたが、パレードスタート。
最後方からスタートだが、例年よりペースが遅く、パレードっぽいので一安心☆
右側から田崎さんがスーっと上がっていったので、警戒している一人なので射程圏内に留めるべく、私もパレード区間で前方中段まで上がる。
レース展開とは関係ないですが、強豪ひしめくこの主催者選抜で、私が注意していた選手を伝えておきます。
私がレースメイキングしたきっかけを作ったと自負していますが、このチェックしていた選手の動向に目を光らせて仕掛けるタイミングを見極めるつもりだったので、ブログを見てくださる皆さんに理解してもらうために、お伝えしておきます。
ちなみに、皆さんレベルが高く、私よりFTPが高い選手や、絶対パワーが高い選手ばかりですが、このコースレイアウトで、この参加者リストで、私が勝てる可能性があるとしたら、この人だけは外せない!!って基準ですので、ご理解下さい。
<集団スプリントとなった際の要注意選手>
・龍太郎君、田崎さん 2名
龍太郎君は規格外のパワーの持ち主なので、ゴール前まで一緒に行きたくない人代表!
田崎さんは、毎年必ず着に絡み、位置取りや仕掛けるタイミングが抜群!
<絶対に逃がしてはいけない選手>
・才田選手、森本さん 2名
才田さんは、総合力ではNo1と思われる選手。逃げたら捕まえられない可能性大!!
森本さんは、言わずと知れた山神様。説明不要!!
他の選手の逃げを簡単に容認することは出来ないが、この4名だけは絶対に位置関係を把握しておくことが、勝つための絶対条件だと思っていた。
(ちなみに、主催者選抜に参加された選手の皆さんは、きっと同じ?もしくは、龍太郎君と才田さんの2人をチェックしていたと思われる。)
パレード区間が終わって、レーススタート!!
すぐに縦長になるものの、問題ないペース。
前方で五郎さんが、逃げている。
この段階で、決定打になることはまずないので、容認。
いわゆる男気モーニングアタックだ!
集団の目は、覚めたかと思われたが、全く覚めることなく、当然のようにお見合い。
すると、6倍界王拳の使い手田中君が、スーッと上がっていく。
6倍以上使って前方へ上がっていった。
前方では、龍太郎君・才田さん・森本さん・高岡さんが居ることが分かる。
田崎さんは、左後方に居てる。
私は、いつでも飛び出せるように、右外側を走って、あまり前の人の後ろなどに入らない。
私も前方へ上がり、サイクリングローテに加わる。
この辺で田中君と「このままサイクリングかなぁ~」なんて会話を交わす。
しばらくして、ミヤケンさんから“兼松さん!よろしくっ!”って声を掛けられて、テンションが上がる。
私の中で、男気ある引きをする人と言えば、今回は不参加の“矢部さん”と“ミヤケンさん”の2名。
なんともかっこ良い人達で、いつも男らしい。
このままサイクリングしても仕方がないので、しっかりと動こうとタイミングを見計らう。
少しペースが上がったのか?と思いローテするも、まったりモードが変わらず・・・
すると、五郎さんが再度アタック!!
モーニングアタック2だ!!
「男ってのは、背中で物を語るんだっ!」って感じに見えた。
失礼な言い方かもしれないが、五郎さんが逃げても脅威に感じる人は少ないと思うので、ちょっと負荷を上げて追走ぐらいな感じで、集団が追いかける。
話が逸脱しますが・・・
私が、自転車にのめり込んだのは“筧五郎さん・高岡亮寛さん”というホビーレーサーのスターと出会えたからです。(雑誌やブログですが・・・(笑))
五郎さんの第1回伊吹山ヒルクライムの優勝や、高岡さんの沖縄優勝が、私にとっては憧れそのものなのです。
いかんいかん!!思い出に浸っている場合ではない!!
五郎さんを集団が吸収しようとした際に、才田さんと龍太郎君がローテを終えて、左側から集団内に入っていく。
龍太郎君が、才田さんをピッタリマークしているように感じた。
森本さんは、私の後方に居てる。
田崎さんは、集団内で力を温存中。
私が先頭で、チョイペースを上げつつ、周りを観察。
パパクライマーさんが先頭に出てくれた。(これはチョイ記憶が曖昧。)
再度、後方を確認すると、才田さんと龍太郎君はアタックに反応できる感じの位置取りではない。
田崎さんは、絶対無理。
6倍界王拳は、反応できるだろうが、きっとこない。
というか、誰も私のこの段階のアタックに反応なんてしない。
もしかしたら、私が本気で逃げていると感じたら“乗鞍2位”の肩書きが、集団を焦らせる可能性がある。
誰かが、きっとブリッジをかけてくるはず。
でも、集団でブリッジされたら、無駄足だ。
でも、ここしかない!
龍太郎君と才田さんが反応しにくくて、森本さんがもしかしたら乗っかってくれるかもしれない。
誰もこないなら、1人でTTするしかない。
少しペースを落として、集団が横に膨らんだタイミングで、一気に加速!!
ちょうど1合目辺りだった気がする。
誰が来るか?なんて気にせず、明らかに距離が開くまで踏むと決める。
ダンシングでグイグイ踏む。
後ろは見ない!
ダンシングを終え、シッティングでまだ踏む。
1人か2人着いて来ている感じがしたので、振り返ると集団と20m以上開いていた。
そして、1人着いて来ているので、ローテを促す。
でも、前に出ない。
誰だ?と振り返ると五郎さんだった!
前に出てもらえないので、そのまま踏み続ける!
逃げを決定的にしたかった。
しばらく、何とか維持できる強度で走り、1人旅。
どれぐらい集団と開いたのか分からないが、カーブの後に振り返ると見えないぐらいの距離は開いた。
直線では、視界に納められる感じだろうか?
そろそろ、誰かがブリッジに来るだろうと信じて、少しペースを落とす。
しばらく走っていると、2人が来た!!
集団とは離れたままなので、完全に集団を置いてブリッジしてくれた!
これは嬉しかった☆
しかも、森本さんと龍太郎君。
龍太郎君と逃げるのは本望ではないが、追いついて来た森本さんのペースは逃げ切るつもりのペースだとすぐに感じた。
追い抜かれたと同時に、龍太郎君の後ろに入る。
少し休ませてもらう。
森本さんの強い引き!さすがの一言だった。
2合目の少し手前だったと思う。
そして、2合目補給所を通過。
龍太郎君への応援しかなかった。。。(笑)
さすがスーパースターだ!!
2合目を通過して、勾配がきつくなった辺りで龍太郎君が森本さんより少し離れる。
すぐに下りが見えたので、龍太郎君がすぐに追いついてくれると思っていたが、呼吸が荒く辛そうだったので、これはやばいと思い森本さんの後方までグイっ!!とブリッジ。
(龍太郎君は、やはりTOJの疲れがあるのだろうか?もしくは、前日の試走が疲労を残したのか?)
3m~5mぐらい開いてしまったので、追いつくのに結構頑張りました。
そのまま2人となり、ほどなくしてローテを促されましたが、逃げの時の負債とブリッジの負債があり、ローテを行っても森本さんのペースを維持できる自信がなかったので、パスさせて頂く。
何も言わず、そのまま力強く引いて頂く。
お陰様で、負債も返済できた頃に再度ローテを促される。
もちろん、私もペースを維持すべく、一緒に逃げを確定させるためにペダルに力を込める。
自分が先頭に出るとペースダウンしているように感じてしまい、能力の差を感じながら走る。(すでに脚が攣りそう。昨晩に攣った左足指と右大腿四頭筋の外側がやばい!)
途中で“やはり集団が少しずつ近づいていますね。”と森本さん。
逃げるしかない!
先頭に出た際には、ペダルに力をより一層込める!!
先頭交代を促さずとも、タイミングよく先頭に出て頂けるので、助かる。
綺麗にローテしているように、前のベンツとカメラ搭載車には映るかもしれないが、山神様がやはり強く偉大なり!!
先頭交代の度に、2人で後方を確認するが、集団は全く見えなくなった。
おそらく、3合目手前ぐらいから集団の姿を全く見ていない。
3合目半ばを通過した辺りで、捕まえられることがないことを確信した。
さて、どうするかな??
優勝したいけど、森本さんがいないと絶対に勝てなかったし、森本さんの引きのお陰様なのに、嫌らしいことは出来ない。
ここからは一切負荷を上げず、金魚の糞作戦なんてできるはずもない!
時折、勾配がきつい箇所で森本さんがダンシングでペースを明らかに上げてくる。
感覚的に6倍は超えるダンシング。
わざと?もしくは、もっとペース上げないとダメだ!と思っているのか?
でも、会話しながら走ったりもしているし、それならそう言うかな?などなど、脳ミソがグルグル働きます。
でも、脚が今にも攣りそうでやばい。
4合目の勾配がきつい箇所でも、ダンシングでペースを上げる森本さん。
反応しようとダンシングした際に、軽く攣ってしまい、万事休す!!
すぐに平地~下りに入り、少し距離が開いたが無事に追いつく。
そして、山神様より提案があった。
逃げ切りましたね。どうしましょう。2人仲良く並んでスプリントしますか!?
森本さんの声は、明瞭で語尾がハッキリしており“渋いなぁ~”といつも思っていたが、この時ほどそう感じたことはありません。
神の訓示に聞こえました!(笑)
そのまま平地から下り区間を2人でL3強度ぐらいでローテして、最後のトンネルを超えて、並走する。
残り100ⅿを切り50ⅿぐらいの箇所で、2人顔を合わせてから、言葉をかけることなく、同時にスプリント開始。
森本さんは余裕があったようで、軽快にダンシング!
私は、ダンシングしたらすぐに攣ってしまい、痛くて踏めない。。。
競うことなど出来ず、痛みに耐えながらゴール。
結果は、このスーパーハイレベルな大会で、2位でした。

参加した選手それぞれの視点があり、それぞれにドラマがあるかと思います。
レース時の展開や、私の感じる世界は以上の内容でした。
あくまでも、私からの視点ですので「見間違い・覚え間違い・表現間違い」があるかと思いますが、ご了承下さい。
しかし、森本さんと菰野ヒルクライム時に話した内容・そして前日に話をした内容、まさかの2人逃げで正直驚いています。
さて、レース後の感想ですが…
悔しいけど、悔しさより今の自分自身の仕上がり・モチベーションなどを考えると、非常に優れた結果だと思っています。
上!上!上出来でござりまする!!
森本さんとの力の差を感じる事が出来ましたし、良かったです。
乗鞍の時は、力の差を感じることなく負けましたので、悔しかったですが、今回は力で負けているのは明らかな事実であります。
やはり、山神様は偉大でした。
レース後に
「兼松さんの引きが強くて、自分より良いペースに感じました。」
「あそこでのアタックは、さすがです!素晴らしいね~!」
「途中ペース上げたりしたけど、普通について来ているのでね~。いや~怖い存在だ!実力上げて来ていますよね!」
とか、誉め殺されたのが嬉しかったです。(笑)
そして、この強豪ひしめく主催者選抜の中で、あの牽制し合い、誰も自分の脚を使いたくない雰囲気の中、勝敗を決定づける勇気ある逃げを敢行できたことについては、自分で自分を褒めたいと思います。
もちろん、森本さんがいなければこの結果は無かったと思います。
これぞ、ヒルクライムと言う名の“ヒルクライムロードレース!”だと思います。
この私の行動は、WALKRIDEでJPTで走らせてもらい、そこで出会った仲間から学んだことです。
集団内でヒラヒラ走って、完走しても仕方がない。それなら、仕事をしたり、見せ場を作った方がいい!
この言葉は、ガツン!と心に刺さりました。
学び多い経験を、WALKRIDEでさせて頂いています。
本当に感謝です。
きっと脚を残して、レースを終えてしまった強豪達が多数いてるかと思います。
また、お会いできる日を楽しみにしています。
「来年は優勝だね!」と言われますが、二度とこんな上手く行かないと思います。
もし、来年も同じ場に立っているのなら、優勝目指して脳ミソ使って頑張りたいと思います!!
応援して下さった皆さん、本当にありがとうございました。
そして、もっとも身近で応援してくれるTeamGreenRoadのメンバーいつもありがとう。

長文お付き合いありがとうございました。
レースではなく、チームメイト向けの備忘録は、また後日っ☆
Changingman 兼松大和
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