2017全日本マウンテンサイクリングIN乗鞍 レースレポと雑感

あなたは…

この日のために努力してきた…

出走直前のこの選手の背中から…

何を感じますか…

 

 

 

お待たせ致しました。

って待ってないのかな!?(笑)

何から書いて良いのか…本当に悩む感じです。

文章構成を考えず、思ったことを適当に書きまくる形式で、見る人が最も読みにくい文章となることを、まず初めにお詫びします。

長く、くどいブログとなってしまいました。

でも、せっかく書き連ねたので、そのまま載せることにしました。

乗鞍のレースレポだけを読みたい方は、他の選手のブログをご覧になって下さい。

 

今年のレースレポは、実は深い内容が無いのです。。。

 

それは、スタートしてすぐに感じた「今日はダメだ!」という敗北感が終始レース中つきまとっていたからです。

正確には、レースを走る前から分かっていたことなのですが、1年間努力して、自分で期待し、周りから期待され、当日を迎えるわけですから、ネガティブなことを言っていても仕方がないので、スーパーポジティブで日々過ごしました。

周りから期待されている自分自身を、無理やり演じているような感覚ですかね!?(伝わるかな…!?)

 

「当日には、この不調は改善している!必ず当日には翼が生えるはずだっ!!絶対俺は優勝できる!!」そう言い聞かせていました。

自分自身でマインドコントロールしていたのです。

言葉の力を借りて、負を追い払うかのように、正の言葉を発し続けました。

大会会場では、「優勝」との言葉を口にし、「力を下さい!」と何人もの人と握手をしました。

インタビューを受けている時も、優勝という言葉を口にしていました。

内心とはかけ離れた言葉を発し続けました。

「今更引き下がれない!この状態でベストを尽くすのみ!!必ず明日は最高の状態だ!!」と、ポジティブな思考で自分自身を高めていました。

「自分ではどうすることも出来ない身体の状態を、不思議な力が働いて改善してくれるのではないか?皆さんの応援が背中を押してくれるのではないか?」と期待し、信じて会場で言葉を発し、行動していました。

 

日々自転車に乗り、ピーキングを得意としている私は、”キレッキレ!!”の研ぎ澄まされた時の身体の反応は、普段とは違い翼が生えているのかと思うような感覚で山を上れるのですが、乗鞍当日を迎えた私の身体はピークに到達したベストの状況ではありませんでした。

それは、本番5日前ぐらいから生じた不調…恐ろしいぐらい強烈な浮腫でした。

身体が怠く、そして重い…

ブログやツイッターで、ネタのように散々披露してきた浮腫みです。

浮腫みが強くなると関節の動きが阻害されペダリングがスムースに行えないのはもちろんのこと、筋力の発揮が上手く行えません。

シューズもきつくなり、踏み込む感覚も変わる始末…

浮腫みが出始めた時は、正直どうしようかと頭が混乱しました。

でも、「絶対に乗鞍当日には消失していてベストで挑める!!」と信じて浮腫が改善するために行動してきたことは、乗鞍前のブログやツイッターの通りです。

 

誰もが、私に「乗鞍優勝!」を期待したことでしょう。

というか、それ以外は何の意味もないような感覚でした。

富士HC優勝→美ヶ原HC優勝→乗鞍と続くわけですから、森本さんの対抗馬として私が第一に上がるのは当然と言えば当然でしょう。

富士で森本さんに土を付けたことは、世間を騒がせましたので…

当の私も、優勝する気マンマンなわけであって、やる気に満ち溢れているのですから、やはり優勝以外は何の価値もないような感覚でした。

 

レース前日に、バス移動している際に数回脚を攣ってしまい、悶絶…

仲間達と宿でくつろいで、ジェンガを楽しむのが毎年恒例行事なのですが、私はジェンガを一回しかしませんでした。

ジェンガを抜く姿勢を取ると、足が攣ってしまうのです。

だから、ジェンガDNSです!w

 

おそらくですが、浮腫を減少させるために、塩を出来るだけ抜いて水分を大量摂取していることで、電解質バランスが崩れていたのでしょう。

浮腫んだ脚でレースに挑むのか?

スマートな脚で電解質バランスが崩れた状態でレースに挑むのか?

この選択肢のどちらを選ぶのか、頭の中でずっと考えていました。

 

就寝前にも温泉に入り、少しでも浮腫が軽減するように、念入りにマッサージしました。

こういうツイートをすることで、自分自身を高めていました。

 

<レース当日>

3時30分起床。

かなり寒いので、すぐに温泉へ入り、身体を温める。

塩抜き状態で挑むことを前日に選択していたので、足は比較的スマートであり、浮腫みはわずかのみ。

軽くマッサージをして、朝食を食す。

 

いつもならアップをするのだが、今年は前方に並ばせてもらえるそうなので、時間にゆとりがあるので食事摂取後にうたた寝する。

5時30分頃に目覚め、アップの準備を行い、下山荷物を先に預けに行く。

アップの準備をする際に、ローラーを地下から地上へ運ぶのだが、大腿四頭筋に違和感というか軽い痛みがある。

疲労があるのではなく、筋収縮する時にスムーズじゃない感覚…気になるけど、気にしても仕方がないので気にしない!!

そして、アップを行う。

前日まで動いていたサイコンが止まっている。

どうやらボタン電池切れらしいっ!

何ともタイミングが悪いことだっ!!

気にしても仕方がないので、アップを開始する。

とにかく、ネガティブな要素は全て気にしないことにしていたっ!!

 

・固定ローラーでアップ(ミノウラのV270です。)

まず、5分150Wぐらいで軽く脚を回すだけ。

その後に、1分220W-240W-260W-280W-300W-320Wと1分で20Wずつ負荷を上げて、320Wで一旦負荷を下げる。

3分200Wで流した後に、1分250W-280W-310W-340Wと上げて行き、340W1分の後に30秒だけ400Wぐらいでもがいて終了。

後は心拍が100回以下になるまで適当にクルクル回して終了。

最高心拍は161回だったので、アップとしては合格です。

険しい…

 

私は、このアップ方法が最もエネルギー消費量が少なく、筋疲労が少なく、身体を温めさせ、心拍数を高められる方法かと思っています。(あくまで、私が色々やった程度の結果ですが…)

 

アップとしては合格なのですが…しかし、大腿四頭筋が痛むし、足底が痛い…

仲間が周りでレースの準備をしており、サポートの女神二人が写真撮影を行ってくれているが、周りに対して愛想は一切なし。

こんな感じでチョけていることは知らなかったのです。。。(+_+)

それぐらい自分自身に語り掛け「出来る出来る!絶好調絶好調!!」とブツブツ言い続けていました。

 

でも…

 

痛みが気になって仕方がなかった。

 

でも…

 

「気にしない!気にしない!レースが始まると、最高のパフォーマンスが発揮できる!!」と言い聞かせる。w

 

ローラーの片づけを女神様にお願いして、部屋に戻って、アップオイルで再度マッサージする。

「どうかもってくれ!!」と祈りながら、Ignameアップオイルを使ってマッサージする。

 

そして、レース会場へ向かう。

 

昨年乗鞍の上位者、今年の美ヶ原の上位者がコールされ、先頭に並ばせてもらえる。

会場は、盛り上がっており、たくさんの人でごった返していた。

コールされた後は、すぐにレーススタート。

他の強豪達と会話することなくスタートできたので、今日の私の心の状態としては良かったかもしれない。

 

 

<レーススタート>

スタートして、矢部さんと森本さんが前を走る。

三本滝までは、逃げなども生じないし、逃げが生じたとしても、最後まで逃げれないので前の方で様子見しながら走ることにする。

マッタリとしたペースで、息も切れないペース。

スタート2分ぐらいして右に180度ターンする駐車場のある勾配がきつくなる辺りで、ペースが上がった。

その際にちょっと負荷をかけてみたら、いきなり足底と指が攣った。

しかも両足…

 

「マジかっ!!!!!!」と思った。

 

ペダリングをアンクリングしてみたり、前に蹴り出してみたりするも、なかなか治まらず…

足底と指の攣りは少し治まるも、大腿四頭筋が痛い…

いつ本気で攣ってくるのか分からない不安定な状態で、怯えながら集団内で息をひそめる。

このままでは、絶対にダメだと思った。

勝負に絡むなんてとんでもない…いつ攣って走れなくなるか分からない…

これは絶対にペースが上がるとダメだと思い、走っている最中に他の選手の邪魔にならないように気を配りながら、シューズの締め付けを緩めて、脚を締め付けから開放する。

しばらく解放した状態で走っていると少しマシになった感じがしてきたので、ペースが上がる前に、再度軽く締め直した。

 

集団は平和だが、矢部さんや渡辺君が逃げているのか?ペースアップなのか?分からない感じだが、力強く前を走って行く。

絶対に逃げきれないのは、間違いない。

馬並みナベ君は、ひょっとすると大逃げかます可能性のあるTT職人だが…

今日の矢部さんは、私の知っているスーパークライマーな矢部さんではない。

後ろ姿ですぐにわかる。

オーラが違うし、一回り身体が大きいので絞れていない。

追いかけようと思えば、30秒で追いつく距離だ。

インターバル耐性のある人なら、すぐに追いつくだろうから、様子を見る。

 

しばらく、吸収しては誰かが前に出て…と繰り返しているが、そんなことより自分の足の状態が不安過ぎて、それどころではない!

 

すると、森本さんが盛大にチェーンをトップ側に落としてジャラジャラ鳴らして停止。

「森本さんがチェーントラブルだ!」って集団内で声が上がり、ややペースは控え目になるものの、記憶が曖昧だが前を逃げている矢部さんと渡辺君は気づいていないので、逃げとの距離がやや開く。

ほんまにこれで森本さんは終わるのか!?と、自分の調子がイマイチなくせに、人の心配をしていた。

前の2人も吸収して、集団のペースは少し落ちる。(紳士のスポーツだと感心していたのだが、後で振り返るとただペースが落ちただけかも!?w)

 

三本滝を過ぎたあたりで、清宮さんが抜けだした。

おっ!!真打おじさん登場やなっ!!と思った。

想定内の動きだから、様子見。

「清宮さんのアタックは、強度がかなり高いので一気に差が開くが、強度が高い故にペースが落ちるので、心配する必要はない。冷静に対処することが脚を使わない方法だ!」と、乗鞍一週間前に田中君にアドバイスしていたので、気にせず見ていた。

というか、ここで脚を使ったら、今日の私はすぐに死ぬ( 一一)

 

すると田中君がペースアップして追走!?(あれっ!?アドバイス無視してるやん!逃げるのか!?と思った。)

 

清宮さん→田中君→中切れ気味な集団って感じになる。

田中君と清宮さんはヤバイなぁ~(+_+)って思うも、今日の自分は脚を使った瞬間に死ぬので、気持ちを抑えて、まだ中盤手前なので我慢することにした。

パパクラさんが追いかけて、矢部さんも追いかける、シュンスケもいたような気がしたけど、前の二人と距離が少し開いてしまう。

矢部さんの後ろに入るも、前との距離が開くので、矢部さんをパスしてちょっと追いかけようと思って負荷を上げたら、右後ろから誰かが激しく迫ってくる感じがしたので、振り返って見たら山神様だった。

しかも、追いついて休憩する!って感じではなくて、前を追いかけている感じだ。

これは乗らないとマズい!って感じだったので、すぐに反応して後ろにつくも、きつい…

もっと近づかないと後ろに入る意味ないのに、今日の私は高い負荷は出せない。。。

まったく脚に力が入らない感じ…

追走してきて、このペースで前まで走れるこのスケスケおじさんは、本物だと確信した。

 

正直、この時点で森本さんに今日の自分が勝てることはないことを悟りました。

 

自分の能力と他人の能力を見誤るほど馬鹿ではない。

山神様は偉大だと感心しながら、何とか後ろで粘り、前の2人に追いついた。

 

またしても、集団となった。

しかし、10名前後の集団になっていた。

記憶が曖昧だが、位ヶ原ぐらいまでは10名前後いたのではないでしょうか?

あまりにも辛すぎて、ほとんど記憶がない。

脚が攣らないように、離されずに堪えるだけで精一杯でした!

 

つづら折れなどの急勾配で負荷が上がった時に、私は対応するのが必死のパッチ!!

なんせ脚に力が入らないのです。

しかも、脚はちょっと攣っている状態が常時続いている感じ…

だから、勾配がきついあたりでダンシングで加速されるたびに、離されていました…

でも、何とか諦めず、だましだまし集団に位置することができ、位ヶ原まで来た。

 

昨年の余力十分の私とは別の自分がいることに悲しくなりつつも、最後まで残ることが出来れば位置取りや火事場のクソ力で勝機があるかもしれないと、わずかなわずかな望みに期待して、ただひたすら耐えた。

しかし、森本さんと田中君と中村シュンスケは明らかに余力がありそうだし…田中君は、何度も何度も振り返って様子観察してメンバー確認しているので、そんな甘い展開になるわけないよなぁ~って思っていました。w

 

確かCP2の位ヶ原では、スケスケ森本おじさん、後ろ振り返り過ぎてよろけて私にハスって来た田中おじさん、一回り大きい矢部おじさん、いつも最後に勝たせてくれる大久保おじさん 、板子きゅうりおじさん、馬並み渡辺おじさん、いつもは突然いなくなるシュンスケおじさん、美ヶ原大逃げ大たれ加藤おじさん、サンボルトワンピおじさん(だれか分からずのまま…すみません。)、いつでも千切れる準備万端おじさんの私だった気がします。

 

すると、位ヶ原過ぎるとペースが上がり始める。

やっぱりかよ~( 一一)って思ってしまう私がいる。

何とか喰らい付こうとするも、自分では無理だったので、板子きゅうりおじさんやパパクラ身軽おじさんに頼ることに。

しかし、お二人もダメなようだ…

 

ここで上位3名(森本さん、田中君、中村シュンスケ)と距離が開いてしまいます。

私は、何とかパパクラさんの後ろに入るも、ジワジワ上位3名とは距離が離れる…

 

すると、パパクラさんが、良くわからない言葉を怒り気味!?で私に発しているが、何にも理解できない。

何語!?w

この人外人やっけ!?と思った。

 

私が辛すぎて、脳ミソに酸素が行っていないのか?

パパクラさんが、バグっているのか??

今となっては分かりません。

 

正直「こいつ何言ってんねん!!!」って思っていました。w

 

「頑張って追いつこう!!」って言っているような素晴らしいスポーツマンシップに溢れている良い雰囲気にも感じるし、「前に出て引いてよ!!」ってキレて言っているようにも感じるし、とにかく分からん!!(笑)

「ちゃんとしゃべれやっ!!!」って元気なら言い返すのですが、もう今にも死にそうなぐらい脚が爆発しそうだし、胸もその分苦しいし、限界ギリギリでした。

パパクラさん、ごめんなさい。

何言ってるのか、本当に分からなかったです。

 

そして、パパクラさんからも千切れる…

もう前の3名から千切れた時点で、私は着順はどうでも良かったんです。

優勝以外は、私に価値はないのです。

俺の乗鞍が終わったぁ~と、初めて周りの景色を見ました。

蛇のようにウネウネした道が一面に開けている。

最高の天気であり、最高の景色だった。

やっぱり不調は脱することが出来なかったなぁ~(+_+)とか、乗鞍にもう挑まないのかなぁ~(T_T)とか、いろいろと考えていると、後ろから加藤君がゼロゼロ言いながら迫ってきました。

後ろを見ると、矢部さんもいる!

 

しばし感傷に浸っていたのだが、抜かれてしまうと自然とレースモードに頭が切り替わる。

加藤君の後ろに入る。

負荷が落ちて、景色を見たりしていた間に意外に回復していた。

パパクラさんも弱っているようで、勾配が緩い区間では距離がミルミル近づき、3人になった。

 

意外に見える範囲に、上位3名 → パパクラさん、加藤君、私 → 振り返ると矢部さん ってところまで見えている。

 

加藤君は、ゼロゼロ言っているが、かなり力強い感じ。

へぇ~凄いなぁ~と感心しながら走っていると、いきなりパパクラさんにハスって盛大に右側に転倒した!!

 

どんだけ追い込んでるんやっ!!!w( ゚Д゚)w

 

落車おじさんは、ゼロゼロ言ってパパクラさんとの距離を詰めていたので、私は落車おじさんとちょっと距離を開けておいたのが功を奏した。

奇跡的に、全く触れることなく落車おじさんを交わす。

スピードが出ていないけど、見事に真横にこけたので驚いたっ!!

可愛そうに…

 

後ろから見ている感じだと、パパクラさんは前を見て走っているだけなので、パパクラさんのヨレヨレダンシングが炸裂したのかもしれないが、加藤君がタイヤをクロスさせたのが一番の落車の原因と考えます。(パパクラさんの必死のダンシングや、必死の踏込時は、車体がクネクネ左右に揺れながら上るので、タイヤクロスはリスキーです。)

 

加藤君がここで居なくなり、パパクラさんと二人になる。

 

ここで少し松本ヒルクライムのことを想い出した。

美ヶ原HCと乗鞍HCのチャンピオンクラスの出走者に順位ごとに点数が与えられる。

総合優勝者には、10万円の賞金が授与されることを思い出したのだ( `ー´)ノ

 

”乗鞍優勝!!”ってことだけを意識していたので、松本ヒルクライムのことがレース中はすっかり抜け落ちていた。

 

美ヶ原ヒルクライム:1位兼松(1点)、2位高橋(乗鞍出ず)、3位パパクラさん(2点)、4位シュンスケ(3点)

乗鞍ヒルクライム:1位シュンスケ(1点)シュンスケに追いつけることはない。2位兼松orパパクラさん(2点)、3位兼松orパパクラさん(3点)

 

点数が少ない者が初代松本ヒルクライムチャンピオンとなる。

同点の場合は、乗鞍の順位が優先される。

ということは、パパクラさんに勝てば、私は優勝だっ!

パパクラさんに負ければ、優勝はシュンスケ、2位がパパクラさん、3位私…

 

何としてもパパクラさんに勝たねばっ!!

そう思ったが、パパクラさんのペースについて行けず、ジワジワ離されて距離が開いた…

残り2kmの看板が見えた時点で50mぐらい離れていた。

 

しかし、勾配が緩いので、私に分がある。

5分ぐらいだと考えれば、裏ぶどう1本を本気アタックするぐらいだ。

「何のために練習してきたんだ!!」って、闘志がメラメラ燃え始める。

ダメもとで、思いっきりもがいてみる。

おそらく、過去出場した乗鞍ヒルクライムで一番もがいた!(笑)

 

ジワジワ距離が近づいていく!

確実に距離が縮んでいる。

残り1kmの看板で、25mぐらい。

 

届く!!何とか届く!!!

 

そう信じて、最後の力を振り絞って踏み倒す!

脚が攣り始めたが、気にしない!

残り200mの看板で5m~10mの距離まで近づいた。

そこから腰を上げて、脚が攣って痛いが、裏ぶどう練習でもがいた最後の全力スプリントを思い出して、思いっきりペダルに力を込める!

ゴール3m手前で並んで、右側からまくって、何とかギリギリ先着して優勝しましたっ!!

優勝やっ!!(乗鞍は4位!(笑))

ゴール後には、意識が飛びそうなぐらい酸欠でした。

脚も痛くて、胸も痛くて、堪りませんでした。

出し切りました。

 

絶好調で挑めなかった乗鞍ですが、出し切りました。

乗鞍の結果は、ダメダメですが、松本ヒルクライムの優勝をゲットしました!!

ただでは帰らない男だっ!!

やっぱり持ってる男は違うのだっ!!(笑)

スーポジ!!!

 

乗鞍のレースは、位ヶ原を過ぎた辺りで終わりました。

完敗でした。

情熱全開で挑んだのですが、ダメでした。

でも、挑んだこと、そして取り組んで来た過程に後悔はありません。

 

レース終了後、長野放送やチャリダー・ハシケンさんにインタビューを受けましたが、「出し切って満足で、後悔はありません!!」って言っていましたが、一つだけ嘘があります。

やはり期待に応えられなかったのは、悔やまれます。

期待に応える方法は、優勝しかなかったのですが…

自分自身が「優勝したい!」という感覚よりも、皆の期待に応えるため「優勝したい!」といった感情が、私の正直な気持ちです。

私がなぜここまでストイックに取り組めるのかというと、たくさんの人達に期待され応援されているからです。

結局は、他者に認められることで、自分を満たしているのだと思います。

自分自身が欲する欲求が、他者からの承認欲求だということです。

そんなことをブログに書いてどうすんねん!って感じでしょうが、これはとても重要なことです。

 

 

通勤で使用するために購入した自転車。

乗れば乗るだけ速くなって、速くなるのが楽しくなって行きました。

自転車が楽しくなり、私の良くも悪くもある点ですが、周りを巻き込みはじめ、グループが出来ました。

かけがえのない仲間が出来たのです。

そして、さらに速さを追求するようになって行きました。

自然とファンライドだけではなく、レース志向の強いグループが出来上がって行きました。

その活動への応援者も増え、自分自身も仲間もレースで結果が伴うようになり、完全にレーシングな集団となり”レーシング班”などと名付けて活動を開始しました。

そのレーシング班の最前線を走り続けなければならないという責任を感じながらも、仲間からの期待に応えることが喜びとなり、努力を重ねてきました。

結果が伴い、期待に応えられる喜びは、何とも言えない充実感をもたらしました。

次第に、職場の仲間だけではなく、見ず知らずのサイクリストから応援されるようになりました。

雑誌に載ったり、TVに出たり、機材提供の話が来たり、趣味の域を超え始めたのか!?と思えるような状況になってきました。

たくさんの悩み相談の連絡を受け、たくさんの応援メッセージをもらい、たくさんの人から愛されるようになりました。

ブログのアクセス数も更新していなくても2000アクセスを越え、レースレポートなどは、さらに一桁跳ねるようになりました。

大会会場では注目され、その辺を走っていても声を掛けてもらえ、練習会にも呼んで頂いたり、何とも不思議な感覚でした。

たくさんの人と出会い、たくさんの経験をさせてもらい、たくさんの学びを頂きました。

最高に幸せ者です。

ラッキーです。

ついてます!!

 

そんな中、益々期待に応えたい気持ちが強くなって行きました。

いや…

正確には、期待に応えなければならない気持ちが強くなり「~したい!!」から「~しなければならない!!」に変化してきている感情が芽生えていました。

これはダメな傾向だと思いました。

したいのではなく、しなければならい趣味って何でしょう…

このままでは、いつか自転車を楽しめなくなる…と。

 

自転車通勤から開始したロードバイクですが、だんだん好きになって、生活の中から切り離せない存在になって、どっぷりハマって恋に落ちたのに…

その自転車が好きでなくなり、楽しめなくなる…

 

期待に応えられなくなった時に、自転車が嫌いになるんじゃないだろうか!?

誰も見向きもしてくれなくなるんじゃないだろうか?

そんな不安が少し生じました。

 

自転車を通して、一人の人間として成長して来たのですが、結果を出せなくなった瞬間に兼松大和という人が否定されてしまうのではないかという不安が生じたのです。

人として様々な人と付き合いたいのに、成績を残す選手という一面で見られているような感覚でしょうか…

 

そんな心の葛藤があり、練習がノルマになり、存在価値を維持するために練習しようとしている自分がいました。

期待に応えるために、たくさんのものを犠牲にしているような気にもなりました。

これはダメだと心底思いました。

少しだけ友人家族でキャンプに行った時の記事に、その気持ちを記載しています。 → 山籠もり

 

原点に返り、自転車を楽しもうと思います。

無意識のうちに、期待してくれているたくさんの気持ちをプレッシャーに感じている自分が居てたようです。

まだまだ小者です!

 

 

乗鞍で結果を出せませんでした。

たくさんの人の期待に応えることが出来ませんでした。

これは、兼松大和という人として、とても悔しいですし、情けないことだと思っています。

勝者は、一人。

後は、全て敗者である厳しい世界です。

 

それぞれの参加者に目標があり、その目標は完走やタイム更新や入賞や優勝などなど様々でしょう。

 

私には、優勝以外は価値のあるモノではなかったです。

期待してくれた人達にとっても、4位という成績は、おそらく…と思っていました。

やはり「優勝」という結果のみが、私を満たし、そして、周りの期待に応えられるものだと思っている私がいるのです。

 

この思考は勝手に私の心が考えているだけであって…

実際はそうではなく、たくさんの人達が私の取り組みや姿勢などが好きで、応援してくれているということをレース後に感じました。

 

でも…

今の私は、乗鞍に出場するのであれば、優勝以外は価値あるモノと思えない思考に縛られています。

しかも、それは義務的な「しなければならない…」という思考に縛られています。

だから、来年リベンジするために乗鞍に挑むのか、正直分かりません。

少なくとも…楽しめていないのであれば、趣味として取り組んでいる自転車なので、やる意味はないでしょう。

「しなければならない!」から「したい!」への切り替えが出来た時に、辛い練習もダイエットも問題なく取り組むでしょう。

トレーニングして乗鞍に挑むことが楽しめているのであれば、きっとさらに強くなって挑戦するでしょう。

 

長々と記載しましたが、来年への抱負は、今はないです。

仲間や家族との時間を楽しみ、仕事にも情熱を注ぎ、自己を高めるための勉強や人付き合いにも時間を割き、そして自転車も楽しみたいと思います。

限りある有限の時間ですので、無駄にせずに、人として成長できるよう、これからも前を向いて進んで行こうと思います。

 

乗鞍…

何故にこれほどまでに魅かれるのでしょうか…

走っている時も、練習している時も、こんなに苦しいのに…

また、その地に帰ってきたくなる。

不思議な大会であり、不思議な場所です。

 

来年の大会に、私はどんな気持ちでスタートラインに立っているのでしょうか?

優勝を目指しているのでしょうか?

走ることを楽しむために立っているのでしょうか?

 

その時の気持ちに、任せたいと思います。

 

 

乗鞍使用機材について、仲間との旅行日記については、また記載しようと思っています。

 

 

最後に…

たくさんの期待を持ち、応援して下さった皆さんありがとうございました。

結果を残すことが出来ませんでした。

すみません!!

しかし、皆さんの応援が背中を押してくれました。

もし、皆さんが期待してくれていなければ、応援してくれていなければ、今年の乗鞍は体調不良を理由にスタートしていなかったかもしれません。

不甲斐ない結果ですが、走ったことでたくさんのことを感じ、たくさんの学びがありました。

レース終了後に、ゴール地点で一緒に競い合った仲間達との笑顔での会話は、走らなければ得れなかった宝物です。

(photo by ハシケンさん)

 

そして、努力してきた私を知っている身近な仲間たちは、私の健闘を讃え、労ってくれました。

また、SNSで知り合った方達も、結果ではなく努力している私を応援してくれているようでした。

過程を認めてもらえたことで、救われました。

モチベーション理論等で再三言われている「結果ではなく過程を認めてあげることが大切だ!」ということを、身をもって改めて感じることが出来ました。

皆さん本当にありがとうございました。

 

もし、私が再度チャレンジャーとして努力しているのであれば、その時は応援してもらえると嬉しいです。

長文お付き合いありがとうございました!!!

 

 

changingman 兼松大和

6 件のコメント

  • ブログ待ってました。
    とても興味深く読みました。

    出走直前のこの選手の背中の向こう側で拍手している私が写っています。

    兼松さんの優勝を願って拍手しています。
    そして自分の出走より緊張していました。

    初出場でしたがチャンピオンクラスにギリギリ出れる資格タイムでゴール出来ました。
    来年も年代別で出場するつもりでしたが、ブログを読んで決めました。
    来年は兼松さんと同じ舞台で走りたいと思います。
    ありがとうございました。

    • たつやんさん!
      返信を返していたつもりが、完全に埋もれていました。
      すみません。
      是非、来年もお互い頑張って乗鞍を堪能致しましょう☆
      今後ともどうぞ宜しくお願い致します!!

  • 兼松さん
    いつもブログ、楽しく読ませていただいています。
    38歳でロードバイクを楽しく乗っています。

    最近の兼松さんの脚の浮腫、脚攣りを見て気になったので記入させていただきます。

    結論から申し上げると、一度病院受診をおすすめします。腎臓内科がいいと思います。

    実は私自身が一昨年、ひどい浮腫で体重増加、脚攣りを経験し、それらは腎臓病によるものでした。尿検査をすれば、一発で問題ありなしがはっきりします。

    突然の書き込み、失礼いたしました。

    • 大賀さん!
      返信をしていたつもりだったのですが、出来ておらずすみませんでしたm(_ _)m
      尿検査は大丈夫でしたが、採血データはハチャメチャでしたっ!(笑)
      今回の経験を活かして、また新しい取り組みを行なって行きたいと思います!!
      アドバイスありがとうございました(^O^)

  • 初めてコメントします。
    今年の乗鞍でとても大切なことに気付かれたのですね、スーパマン思考はキツかったですね(^-^)
    そこから開放されて新しい世界が見えた感じが伝わって来ました。
    来年の乗鞍、文字通りのchangemanが登場?
    あるいは勇気を出して一回休み!の大勝負?まであるのでしょうか?
    楽しみです!

    • コメントありがとうございます!
      今は、楽しみながら自転車に乗っています☆
      今後どうなるのか分かりませんが、楽しく自転車ライフを送りたいと思っています。
      楽しんでもらえるような男か分かりませんが、楽しんだと胸を張って言えるように頑張ります。

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